日本のデジタル主権と国民データをいかに守るか【参議院本会議場6/22】

2026年6月22日に行われた参議院本会議にて、参政党の神谷宗幣議員が「デジタル主権」をテーマに代表質問を行いました。

国家がデジタル資産や技術に対して最終的な決定権と統制力を持つことの重要性を唱え、マイナンバーカードの義務化問題や行政・医療データの海外依存リスクについて、高一苗内閣総理大臣に対して鋭いアプローチを行っています。

本記事では、神谷議員の「国益と国民のため」の具体的な問題提起に対し、政府側からどのような回答がされ、それがどこまで正面からの回答になっているかを客観的に解説し、今後の課題を問題提起としてまとめました。


目次

論点1:マイナンバーカード取得の義務化に対する是非

神谷宗幣議員の質問 [00:00:10〜]

マイナンバーカードは任意取得であることを前提に進められてきましたが、先般、自民党内の政策提言においてカード取得の「義務化」を検討すべきという考え方が示されました。普及のために特典をつけたり、持たざるを得ない状況を作ったりして保有者は増えていますが、前提が変わってしまう義務化に対しては、くれぐれも慎重に行っていただきたいと考えています。総理はマイナンバーカードの取得義務化について、どのような見解をお持ちでしょうか。

高一苗内閣総理大臣の回答 [00:00:45〜]

マイナンバーカードはすでに約1億人を超える方々が保有しており、今後も本人確認の厳格化などを受けて着実に増加することが見込まれます。政府としては引き続きスマートフォンへの機能搭載や、官民の幅広い分野での利用拡大に取り組んでまいります。法的にカードの取得を義務付ける必要性については、社会実装の進捗を踏まえながら、これまでに培ってきたマイナンバーカードへの「信頼を維持できるように配慮」しつつ、さらに検討を進める必要があると考えている段階です。

【解説と問題提起】
神谷議員が国民の声を代弁して義務化への慎重な対応を求めたのに対し、総理から「マイナンバーカードへの信頼を維持できるように配慮する」という、国民の心理的抵抗や懸念を無視して進めることはできないとする一定の答弁を引き出しました。
しかし、党内で浮上している「義務化の是非そのもの」や「どのような基準で義務化を判断するのか」という核心的な問いに対しては具体的な言及がなく、回答としては不十分さが残ります。普及が進んだことを理由に、なし崩し的に義務化へと舵が切られるのではないか、その判断基準の透明性をどう担保していくかという点が今後の大きな問題提起となります。


論点2:行政プラットフォームの海外依存と国内クラウド産業の育成

神谷宗幣議員の質問 [00:02:17〜]

令和2年当時、総務大臣であられた高一総理は、政府共通プラットフォームの委託先としてAmazon Web Services(AWS)を採用する方針を明かされました。その際「できれば国産が良かった」という趣旨の悔しさを滲ませる発言をされていたと承知しています。それから年数経ちまして結果として我が国の重要な行政システム基盤が主に米国4社のクラウドサービスに依存しているという残念な結果になっています。当時の判断の妥当性と、今後の国内クラウド産業の育成・整備についてどう進めていくかお聞かせください。

高一苗内閣総理大臣の回答 [00:03:28〜]

当時は一般競争入札でAWSに決まっていたものを一時止め、国内事業者との比較をもう一度精緻にやり直しました。しかし、セキュリティ対策やトラブル時の対応などの点を総合的に比較検証した結果、最も優れているという結果が出たため採用に至りました。ガバメントクラウドには最高レベルのセキュリティが求められますが、今年3月には国内事業者の「さくらインターネット」が本格採用されました。今後も国内事業者の競争力強化の観点から、その利用拡大について検討を進めてまいります。

【解説と問題提起】
総理自身が過去の判断における「できれば国産が良かった」という本音を再確認し、当時の国内技術の限界を認める答弁を行いました。その上で、神谷議員の指摘に応じる形で「さくらインターネットの本格採用」という国内クラウド産業の利用拡大に向けた前向きな実績と方針を明確にした点は、国益の観点からも評価できる回答です。
ただし、海外大手4社への極端な依存状態を脱するために、国内事業者を具体的にどう育てていくかという数値目標や中長期の支援計画については回答がありませんでした。形だけの国内企業採用に終わらせず、真に自立した国産インフラとしてガバメントクラウドを機能させるための国主導の戦略があるのか、という点がこれからの争点となります。


論点3:医療データの認識と安全保障上の利活用要件

神谷宗幣議員の質問 [00:06:36〜]

現在審議されている法改正では、一定の要件を満たせば個人データ等の第三者提供の例外を広げる内容が含まれています。21世紀はデータ、特に医療データや国民データが国家の富や安全保障を左右する「戦略的資産」になっていると考えます。今回の改正ではデータ提供の要件が緩まりすぎているのではないかと懸念しています。医療・マイナンバー・税などの重要情報に関しては、外国の法制の影響を受ける事業者への提供を防ぐためにも、個人の明示的な同意を必要とするような法律上の記載をしっかりと残しておくべきではないでしょうか。

高一苗内閣総理大臣の回答 [00:09:52〜]

医療データについては、医学・医療のイノベーションにつなげて成果を国民に還元できるよう「我が国の貴重な資産と捉えて戦略的に活用することが重要」であると考えています。現在国会に提出している改正法案では、保護と活用の適正なバランスを図りながらデータ提供を行うこととしています。その際は厳格な審査を通じて、例えば外国企業について安全保障などの観点から我が国の国益に反するような事業計画は認定しないこととし、国益にかなうデータ活用の促進を実現してまいります。

【解説と問題提起】
総理から、医療データを単なる利活用資源ではなく「我が国の貴重な資産」と位置づけさせ、さらに「安全保障の観点から国益に反する外国企業の事業計画は認定しない」という、デジタル主権に関わる防衛上の重要な明言を引き出しました。
しかし、神谷議員が求めた「法律上の要件が緩まりすぎている点への見直し」や「個人の明示的な同意を法律に記載すべき」という法的な安全網の強化については、直接的な回答がなされませんでした。政府が提示した「審査の運用」だけで本当に外国法制の影響を防ぎきれるのか、法的な縛りがないままデータ利活用が先行することへのリスク管理について、さらなる検証を求める問題提起がなされています。


論点4:データ分析企業への依存と監視社会へのリスク

神谷宗幣議員の質問 [00:11:47〜]

今後の行政サービスの高度化や横断的なデータ統合のニーズが高まる一方で、集めたデータの目的外使用(ミッションクリープ)による監視社会化が懸念されます。米国の大手データ分析企業パランティア社の技術の活用が取り沙汰されていますが、同社は外国の軍事や情報機関、治安維持に深く関わる企業です。分散する国民データを統合すれば、個人の行動や思想、友人関係まで詳細に把握されるリスクがあり、その分析を外国企業が担うことになれば国民の心配は尽きません。実際にイギリス下院の委員会では、同社への情報提供を『容認できない弱点』として契約解除と自国企業への代替を勧告する動きもあります。法改正による認定事業者に、このような外国の軍事・情報分析分野に深く関わる企業が入り得るのか、法律上で適切に除外できる仕組みになっているのでしょうか。

高一苗内閣総理大臣の回答 [00:15:31〜]

国が保有するデータにはオープンデータがある一方で、国益に直結する秘匿性の高いデータも存在します。こうした重要データについては「他国の影響を受けることのない環境を整備することが重要」です。審議中の法案における認定制度においても、この前提のもとで事業者の資本構成なども含めて厳格な審査を行い、不適切な事業者にはデータ提供をしない仕組みにしています。

【解説と問題提起】
神谷議員がパランティア社の具体名やイギリス下院での勧告事例といった海外の厳しい警戒動向を挙げて迫ったことにより、総理から「他国の影響を受けることのない環境を整備することが重要」という安全保障上の認識を認めさせ、事業者の「資本構成も含めて厳格に審査する」という審査体制についての言及を確認しました。
ただし、質問の本質である「軍事や情報機関に深く関わる特定の外国企業を『法律上』確実に除外・排除できる明確な規定があるのか」という仕組みの有無については回答が避けられ、あくまで運用の審査基準を説明するにとどまりました。法的な担保がない状態で、審査を行う官僚組織が外国からの影響を完全にシャットアウトできるのかという重大な問題提起が浮き彫りになっています。


論点5:デジタル戦争における「抜け穴」の防止

神谷宗幣議員の質問 [00:16:33〜]

私たちは現在「デジタル戦争」の中にあり、デジタル主権を守ることはこの戦争に負けないことを意味します。防衛上の観点から見ても、外国に依存して主権を失ってしまえば、自分たち独自の主張ができなくなります。将来振り返ったときに「抜け穴になってしまった」と後悔することのないよう、最悪のケースを想定して法律でガチガチに穴を塞いでおくべきだと考えます。このデジタル主権の防衛に対する総理の意気込みを一言お聞かせください。

高一苗内閣総理大臣の回答 [00:18:09〜]

先ほど答弁させていただいたことにつきますけれども、運用にあたってですね、本当に厳格に「しっかりと国益を守れるように」安全保障上の観点もえ踏まえて対応していきたいというのが現在の考え方です。

【解説と問題提起】
国家の主権に関わる「デジタル戦争に負けないために最悪のケースを想定せよ」という神谷議員の問いに対し、総理から「本当に厳格に、しっかりと国益を守れるように対応していく」という政府最高責任者としての決意の言葉を引き出し、公式の場で確認する形となりました。
しかし、質問者が求めた「法律の抜け穴を塞ぐための抜本的な法案修正」についての踏み込んだ言及はなく、これまでの答弁の枠から出ない回答にとどまりました。現行法案のまま有事(デジタル戦争)に突入した際、本当に国民のデータと国家の主権を守りきれるのか、運用を任される政府への絶え間ない監視と、法制度のさらなる穴埋めが必要であるという本質的な問題提起が示されています。


■ 引用元動画情報
【動画タイトル】「日本のデジタル主権をどう守るか」参議院議員 神谷宗幣 国会質疑 令和8年6月22日 参政党
【配信チャンネル】参政党 国会質問チャンネル【公式】
【配信元URL】https://www.youtube.com/live/n3bgiJXWZMM

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著者

【ニックネーム】のびしろう( nobishirou )
【居住エリア】東京都
【性別・年齢】男性・40代
【経歴】会社員・プロジェクトマネージメント・Webマーケティング・会社経営
【趣味】水泳・バイク・アウトドア
【自己紹介】ご当地グルメ・特産品・こだわりのあるサービスなどの体験を中心にレポートしています。その他、Webマーケティングデータの収集が得意分野です。

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